気ままにそぞろ歩き
三日月村(群馬県太田市)


掲載日:2008年1月2日

 笹沢左保のシリーズ小説に『木枯らし紋次郎』という作品があります。

 テレビドラアマ化もされ、その人気はすばらしいものでした。

 舞台は『上州』、木枯らしの吹きすさぶ土地で生まれた紋次郎の放浪記です。

 上州と言えば群馬県。そんな紋次郎を記念したテーマパークが、『上州新田郡(にったごおり)三日月村』です。



 園内は三つのテーマで構成されています。

 一つは『笹沢左保記念館』。もう一つは、子供向けのアトラクション施設『不可思議土蔵』『怪異現洞』『絡繰屋敷』。そして、 メインテーマである、『木枯らし紋次郎の生家』のある江戸時代後期の山村です。


 パンフレットでは見えにくいので、地図の部分を拡大しました。



 駐車場入り口で駐車料金を払い、車を止めます。駐車場から少し上ると、入り口が見えてきます。

 開園中でしたが、なぜか、木戸は閉まっています。入園するには、左側の小屋で入園料を払い、園内で使うお金を両替します。

 木戸をくぐると広場があり、左側は土産物店になっています。

 土産物屋のはす向かいは茶屋になっていて、飲食ができます。

 広場を通り過ぎると、『笹沢左保記念館』があります。

 

 記念館に入ると、古い田舎風の囲炉裏端と台所があります。

 あくまでも『風』ですね。ちょっときれい過ぎます(^ム^;)

 撮影で使われた物なのでしょう、三度笠と縞の道中合羽が展示されていました。

 これも、撮影関連の品物なのでしょう。館内には、このほかにも、笹沢氏の書斎を再現した部屋と、仲間が集った氏のホームバーも再現されています。

 アトラクション施設の一つ、『不可思議土蔵』へ向かう道です。

 土蔵が、山の斜面に建てられています。

 カメラアングルが傾いているのではありません。カメラは水平です。目をつぶっていれば、ただ床が傾いているだけなのですが、 目を開けて部屋の中に入ると、平衡感覚が狂い、外が傾いているように感じてしまいます。

 『怪異現洞』の入り口です。かなり深く地中に入ってゆきます。中には、滝があったり、お堂があったりと、ちょっとした『お化け屋敷』になっています。


 『絡繰屋敷』です。何が絡繰りかと言うと、『とびら』です。多数ある部屋の入り口のとびらが、すべて仕掛けがしてあります。この建物だけは、案内人が付きます。

 三つの施設のある広場から、斜面を下る道があります。



 下り坂の途中に『地蔵堂』がありました。

 坂を下り終わると、『木枯らし紋次郎』の生家が建っています(小説上の架空の人物ですから、もちろん、この家も創作ですが)。

 家の中央部には、紋次郎の人形が座り、庭を見つめています。

 家の内部です。本格的な時代考証をして造られたという室内です。

 紋次郎生家の前には、村の中央部に続く道があります。



 村の中央広場の手前に、街道筋の宿屋が建っています。宿屋には飯盛女が付きものですね。二階の窓には、それらしい女性が座っています。

 宿屋の内部には、女郎らしき姿の女性と、やくざ者の人形が。

 村の中心部には、右が『水車小屋』、左は奥から『古着屋』『居付茶屋』があります。

 茶屋の隣は『蕎麦屋』になっていて、実際に蕎麦を売っています。お酒も飲むことができます。

 園内では、普通のお金が使えません。支払いは、園内だけで通用する一文銭を使います。一文が百円です。

 蕎麦屋の隣が広場になっていて、子供達が走り回って遊べるスペースが取ってあります。広場の奥には神社が建っています。

 神社と蕎麦屋の間には、火の見櫓が。


 広場には、『居酒屋』と『荒物屋』があり、荒物屋は土産物屋を兼ねており、園内で通用するお金の『両替屋』もあります。


 戻り道の途中には、『炭焼小屋』が有ったようなのですが、壊れていて今はありません。しかし、炭焼きの釜は残っており、実際に炭を焼いているそうです。

 蛇足ですが、『三日月村』は、『やぶづか温泉郷』の中にあります。日帰り温泉もできる旅館もあるので、帰りに一風呂できますよ。


 これも蛇足ですが、右の寛永通宝は本物です。中央と左が三日月村の通貨。本物よりは一回り大きく造られています。まったく同じにすると、通貨偽造になるそうです。


 この施設がオープンしたのは、20年以上も前(笹沢左保記念館が10年前)なのではと思います。自宅からは近すぎる(当時は新田郡でした。先の町村合併により、太田市に併合され、 現在は太田市内です)こともあり、なんとなく行かずに今になってしまいました。

 初めて行ってみて感じました。ここは、小さなテーマパークです。建てられている施設は、大道具をちょっとマシにした程度、とても立派とは言い難い。 開園してから期間が経過しているからでしょう、全体に痛んでいるのはしかたがないとして、メンテナンスが今ひとつ。

 女性中心の従業員は、良い意味でも悪い意味でも田舎のおばさん。フレンドリーであり、嫌みは無いのですが、あか抜けない。 おそらく、サービス業としての教育など、ほとんどしていないのでしょう。まるっきし、素人丸出し。

 しかし、最先端のテーマパークと比較すると言うことがそもそもナンセンスですよね。気の合う仲間と連れだって、気軽にふらっと行ってみる。そんな 施設と思えば、良いのではないでしょうか。

 藪塚の温泉に行ったついでに寄る場所としてはお勧めです。


写真撮影日:2007年11月3日


hpmanager@albsasa.com Albert 佐々木