気ままにそぞろ歩き
散歩で見っけた国際化


掲載日:2004年7月10日
最終更新日:2004年7月24日

 自動車と家電の太田企業が工場を構える地域に住んでいます。ますます強まる昨今のアジアとのコスト競争、労賃は切実な問題です。 安い労働力を求める雇用側と、仕事を求める労働者側のニーズがマッチし、この地域には外国人労働者が驚くほど多いのです。

 私もかつて、海外に暮らしていました。私自身が「外国人労働者」だったのです。

 国が違えば、気候や言葉が違うのは当たり前ですが、困ることは、食べものの嗜好が違うことから、食材や、特に調味料などがまったく違う。 それぞれの国の人は、その地に生まれたときから住んでいるのですから、身体に染み付き、そんな地元の食材や調味料の味に飽きることはないのでしょうけれど、 外国人にとっては苦痛になることさえ。そこで、母国の食材や調味料を売っているお店は救いでした。

 私の住む地域にも、外国人労働者のためのそんなお店がきっとある。そう思って散歩がてら探して見ました。 まだまだたくさんあると思うので、目に付き、気になったお店を順次追加しながら紹介しようと思います。
 このお店は、私も時々、一般のスーパーなどではなかなか手に入らない、独特の調味料を買いに行くお店です。

 店の女主人とは顔なじみ。そんな私が、店にも入らず、道の反対側から写真を撮っているので、掃除中の手を休めて私の方を見ています。

 実は、撮影中は店の中から逆に見られているとは気が付きませんでした。撮影終了後、立ち去ろうとして、主人に「サワデカー」呼びかけられてしまいました(^ム^;)

 そうです、このお店は、タイの食材や雑貨を売っているお店なのです。
 このお店は、ごく最近になって発見したお店です。右側には、大きなフィリピン国旗が垂れ幕のように下がっています。

 ちょうど、通勤途上に毎日通る道にあるのです。中には入ったことはありませんが、食材を売るだけではなく、テーブルも2〜3個置いてあるので、簡単な食事も提供しているのでしょうね。

 小柄ででっぷりと太ったフィリピン人おばちゃんが、早朝の7時台から店を開けています。
 次は、これは日本中のどこにでもある韓国食材のお店の1つですが、良くあるこの種の店とはちょっと違っています。

 このお店の客は、日本人が珍しく、ほとんどが韓国人なのです。(それだけ、韓国人ホステスが多い地域でもあります)

 店番をしている若い夫婦も、まだ日本語が上手ではありません。在日韓国人ではなく、韓国から日本に住み始めたばかりのようです。

 売っている商品は韓国からの輸入食材と雑貨の他に、このお店で漬けた自家製キムチ、韓国のテレビドラマなどをダビングしたビデオテープ・雑誌・新聞などなど。

 典型的な、海外在住者向けの品揃えです。
 食材店ではありません。パブですが、外国人ホステスを看板にした日本人向の飲み屋ではなく、ペルー人のためのペルー人が経営する お店なのです。

 道端の看板には日本語が書かれていますが、店の中の雰囲気は、日本人向とはとても思えない。おそらく、1歩入ると、そこは日本語が通じない世界なのでしょう。 あきらかに日本人を拒否している(^ム^;)

 写真には写っていませんが、店の脇に入り口があります。パブは夜の商売ですが、この入り口は日中でも扉が開いています。 おそらく、食材や雑貨を売っている。もしかすると、軽食などもだしているのでしょうね。
 太田駅北口の西側、陸橋下の路地の、ちょっと薄暗いところに、イスラム教徒のための「ハラル食材」を扱うお店があります。

 薄暗く、ちょっと気味が悪い一角ですが、実は、この前にある陸橋を撤去する工事が進行中です。12月までには取り払われ、 このお店の前は、広い大通りになります。駅にも近く、一等地になってしまうのです。

 周囲の雰囲気がガラット変わると思いますが、家賃が高くなって、店を維持できるのかどうか……。

 そのパブですが、たまたま前を通りかかり、中をのぞいた時に声を掛けられました。 私と同年輩の日系ブラジルの男性です。誘われ、客になってみました。

 ちょうど、たった今子供が生まれたと、紅潮した顔で駆け込んできた若い男性もあったりして、一人日本人の私でしたが、 仲良く乾杯をしたりと、楽しんでしまいました。

 店のオーナーは、腕と背中に刺青のあるスパニッシュ系の中年女性ですが、日系三世で日本語が上手な女性もいて、ポルトガル語が 話せなくてもコミュニュケーションはできました。

 ハラルショップの隣には、仲良く、ブラジル食材のお店が並んでいます。

 日曜日に撮影したからでしょう。ビール片手に、店の外に椅子を持ち出し、男たちが談笑していました。

 彼らがいたので、入っていっての撮影ができませんでしたが、この左側の路地を入った隣には、ブラジル人向のパブと言うか、バーと言うか、ようするに 飲み屋があります。スパニッシュ女性が経営しているようです。
 ここは、食材店ではありません。中古車と自動車修理のお店なのです。

 格安の中古車が並んでいますが、価格交渉をするには、ポルトガル語が必要です。そうです、ブラジル人相手のブラジル人経営のお店です。

 この地域にはブラジル人が多く、ブラジル人学校まであるのです。出稼ぎ感覚ではなく、ほとんど定住するつもりで住んでいるのでしょう、 となると、自家用車は必須の地域ですから、市内には、こんなお店が何件もあります。
 写真は歯科医院です。

 もちろん、日本人も診察する普通の歯医者なのですが、医師が、ポルトガル語を話すことから、ブラジル人を中心に南米出身にとって、 頼りになる歯科医院になっています。

 それを示すためでしょうね、入り口の右側には、ブラジル国旗をあしらった看板が立てられています。

 病気になったら、それが、言葉の通じない他国だったら、きっと不安になりますね。外国語が通じる、こんな医院が増えることが、本当の意味での国際化なのでしょうね。


hpmanager@albsasa.com Albert 佐々木