河童と民話図書資料館 投稿歓迎
河童を含む民話や風土志・伝承などの書籍や資料を紹介します。

幸せのかっぱ
牛玖ひろし


  発行日:1995/12/18
  発行元:五月書房
  ISBN:4-7727-0266-0
  定価:2,800円+消費税
 大判の書籍です。

 一見すると、絵本のようですが、そうではありません。河童の絵を得意とする画家の画集です。

 独特な画風ではありますが、あきらかに小川芋銭の影響を受けていると思われます。

 なお、中に1枚、印刷ではない手書きの絵が入っていました。この画集を買ったときに、一緒に画家の真筆画を飼ったのかも知れません。



遠野の河童たち
原美穂子


  発行日:1992/07/13
  発行元:風琳堂
  ISBN:
  定価:2,060円+消費税
 著者の来歴等は不明です。研究者ではないようです。

 遠野を愛することから、出版されている書籍により、遠野と河童を研究し、本人なりの河童論を展開している。そんな本です。

 これも、商業出版ではなく、自費出版でしょう。


河童を見た人々
高橋貞子


  発行日:1996/06
  発行元:岩田書店
  ISBN:4-900697-54-0
  定価:1,456円+消費税
 日本口承文芸学会や日本民話の会に所属する作者が、岩手県の岩和泉町を中心に、河童を見たと証言する人たちへの聞き書きを調査などを元にまとめた、民俗学的な研究書です。


いわて河童物語
金野静一


  発行日:1982/12/20
  発行元:熊谷印刷
  ISBN:
  定価:1,300円+消費税
 岩手県立の高等校長である著者が、岩手地方の河童に関する物語を、すでに出版されている多くの書籍から、抜粋して分類しまとめた本です。

 商業出版ではなく、自費出版と思われます。


河童 フォークロアの視点1
大島建彦編


  発行日:1968/04/28
  発行元:岩崎美術社
  ISBN:
  定価:1,800円
 9人の研究者による共著であり、河童の伝説や伝承の分布などを像かつて貴似解説した本です。

 内容的には、既知の(すくなくとも私には)ことがらがほとんどです。ISBN番号も付いていませんので、なんらかのグループによる自費出版かも知れません。


天竜河童 北島新平画文集
北島新平


  発行日:1995/04/28
  発行元:郷土出版社
  ISBN:4-87663-279-0
  定価:9,800円+消費税
 画家であり、民話作家でもある北島新平氏の河童をテーマとしてえと文章を集めた本です。


河童駒引考
石田英一郎


  発行日:1948/01/30
  発行元:筑摩書房
  ISBN:
  定価:170円
 すでに、文庫本と、東京大学出版会での復刻版を所蔵していましたが、今回、石田博士ご自身が出版された、貴重な初版本を入手しました。

 終戦直後の昭和23年の出版なので、わら半紙のような紙に印刷されていて、時代を感じます。

2015/01/02

河童曼荼羅
火野葦平


  発行日:1984/01/25(復刻版)
  発行元:国書刊行会
  ISBN:
  定価:15,000円
 昭和32年に、私家限定本として、少数が刊行された書籍ですが、昭和59年に復刻版として刊行されたものです。

 河童伝承を基にした創作民話的な短編小説や、河童の絵、書、エッセイなどが収録されています。

 大判であり、600ページ近い大型本です。

2015/01/02

河童とはなにか
常光徹


  発行日:2014/03/31
  発行元:岩田書院
  ISBN:978-4-87294-853-0
  定価:2,800円+消費税
 国立歴史民俗博物館に設置された『妖怪の世界』コーナーを構築するにあたり、開催された、『歴博フォーラム』の成果をまとめた書籍です。

 河童についての、多角的なアプローチを基にした、これまでの妖怪研究を、判り易くまとめられています。

 個人の河童好きが、趣味でまとまた本ではなく、民俗学手3期菜視点からまとめられています。
2014/12/20

河童昇天
萬造寺龍


  発行日:1949/06/25
  発行元:後樂書房
  ISBN:
  定価:150円(発行当時価格)
 著者は、個人で河童の民話を研究していた方のようです。

 全国各地の民話集に取材し、整理して就労苦しています。その数は河童が64編、中国の河童類似の話が6編、なぜか、雷の話が11編収録されています。

 この本が出版されたのは、私が生まれる1ヶ月前です。その当時の認識で書かれています。これは、かなりの資料です。と言うのは、現在一般的に普及している河童伝承とは、微妙に異なる部分があるのです。例えば、現在は利根川下流の河童伝承とされている『ネネコ伝説』について、ネネコの住処を『上州利根』としています。利根川の下流ではなく、中流である、群馬県の伊勢崎市と、私が住んでいる太田市の間と書いています。今から70年前には、それが常識だったのでしょう。伝承が変化しているのです。

 読み物として書かれた本ですが、資料としても貴重です。

 
2014/12/04

民間伝承論(柳田國男全集より)
柳田國男


  発行日:1990/12/04
  発行元:筑摩書房 ちくま文庫
  ISBN:4-480-02428-X
  定価:1,097円+消費税(初版価格)
 柳田國男全集の28巻に収録されているのが『民間伝承論』です。

 ここにおける『民間』とは、行政的な『官』に対する、官以外の人々という意味ではありません。

 いわゆる、知識階層などの学問的な思考を持つ人たちの反対。

 つまり、市井の人々を意味します。よって『民間伝承』とは、知識階層の間で伝わる、学問知識的な物では無い知識や知見。言って見れば、無学な人々のあいだで、口伝えで伝播するような物語や伝承のことです。

 河童の話も、学術論文で語られることはほとんどありません。むしろ、迷信や誤解や、科学的な知識の欠落から発せられたというのがほとんどの伝承です。

 だからこそ、厄介な存在なのです。正しい方法論を持って研究する必要があるのです。

 河童の伝承に関心を持つのならば、50年以上も前に書かれている論文ですが、示唆される部分が多く含まれている論文です。まさに、日本民俗学における、優れた教科書とも言える本ですので、いやしくも、河童の伝承を論じるのであれば、この論文は読んでおく必要があります。

 
2012/09/19